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本覺寺

寺史

地蔵菩薩の黒薬

地蔵菩薩のお告げによりつくられた黒薬

1725年(享保10年)5月28日の夜、本覚寺の第十世住職、大定梁国和尚(だいじょうりょうこくおしょう)の夢枕にお地蔵さまがお立ちになりました。
お地蔵さまは「諸人の難儀を救うために、そなたに霊薬を授けましょう。その薬で広く諸人の苦患を救ってあげなさい」とのお告げを残されました。
霊夢からさめた梁国和尚は、地蔵菩薩に教えられた通りに何種類もの薬草を集めて薬を作り、病人に与えてみると病はたちどころに霧が晴れるが如く癒えていきました。
その薬はのちに霊薬として評判が評判を呼び、ついには神奈川宿の名物となり明治の初年まで政府の官許の元に製造をされておりました。
薬の名は「黒薬(くろぐすり)」。またの名を「御夢相黒薬」と言いました。

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境内西側に鎮座する霊夢のお地蔵さま

黒薬の効能

黒薬の効能は安産をはじめ、産後の肥立ち・頭痛・腹痛・脚気・中風・痔などおよそ万病に及んで効くと言われ、東海道を通る旅人たちは本覺寺で足を止め、この薬を買って行ったと言われております。
また梁国和尚は、薬の作り方を教えてくれたお地蔵さまのお姿を忘れることなく石に刻み、台石の周囲にその因縁を記しご供養されました。
そのお地蔵さまは現在、境内の西側に安置されております。
以下、その効能を記しておきます。

一、産前には良き茶にて用、産後にはうす味噌汁にて用、しゃくせん期には良き酢にて用、痰咳には黒豆の煎じ汁にて用、あかはらには飯の取り湯にて用、虫には塩湯にて用、くわくらんきつけすはらには水にて用、やけど諸々の痔はびんつけの油にてときつけて良し、やく病おこりには生姜の煎じたる水にて用、 頭痛めまい立ちくらみ脚気痛風打ち身には酒にて用、 くさけかさけくじき腫物灸などいへかね切りきず血止めにはひねりかけて神妙なり、高きところより落あるひは転び、打たる所より血出で病にはときつけ、または酒にて飲みてよし、寒暑にかかることなし、但し大小男女信心して用ればその効験あり、依て其効能をあらまし書加ふるものなり。黒薬効能書きより

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